2012年~2013年度 6月例会案内
◆ テーマ   但馬の方言 (美方郡の方言) ◆
       ~ 言葉の移り変わり ~

「但馬の方言」も6回目となり、2012年度最終例会です。
講師は大屋で産まれ育ち香住在住。幅広い趣味をお持ちの
中尾 寿先生で、香住・浜坂を中心に方言を研究中です。

今回は言葉の様子、取り組み方をお聞きしながら鳥取の県境、
漁師町でもある浜坂独特の方言についてもお話をお聞きしたい
と思います。


日 時    2013年6月22日(土)  12:00~16:00

場 所    余部小学校御崎分校

講 師    中尾 寿(ひさし)氏 (余部小学校御崎分校教師)

スケジュール

      12:00~13:00  集合・昼食(平家の里)
                 御崎分校へ移動

      13:00~15:30  お話・質疑

      15:30~16:00  会員トーク

      16:00        終了

参加申込締切 6月20日(木)

例会担当   友田、足立、小川

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2012年〜2013年度 5月例会 「但馬方言物語 その3」


「但馬弁ってあるのだろうか?」「但馬の中でも山ひとつ越すと違う言い方しているね」「昔と今とで使う言葉がどんどん変わってきたね」などと会員同士の興味から今年度のテーマは「但馬の方言」となった。

実際に始めてみると、あまりにも身近すぎて返ってそれを知る・学ぶことがとても難しいことが解る。そこで、但馬の方言を研究されている谷口裕さん(豊岡市立港中学校教諭)に三たび講師をお願いすることになりました。

谷口先生はプライベートなライフワークとして但馬の方言を調査し、それを体系化してご自身のホームページで情報発信をされている。今回のテーマは「語源」。いつ頃、どこから来たのか?始まったのか?

しかしながらなかなか体系化されている文献はないそうだ。言葉は生き物。時と空間を越えてどんどん変化していく。それを捉えるのはなかなか難しいことなんだと改めて感じました。



谷口さんは、但馬の代表的な方言をアイウエオ順に説明してくださいました。1時間以上経ってもまだア行。事例がとても面白いのでなかなか進まない。まさに終わりなきテーマですね、方言って。結論があるわけでもないし、と言うのが私の感想でした。

以下、私なりに面白い、と思った方言の一部を書き出してみました。

あかい  → 明るい     (鈴鹿山脈以西)
あじこい → 美しい、きれい
あはあ  → 阿呆
ありこまち→ あるだけ全部
いか   → 凧       (いかのぼり)
行きた  → 行った     (上方、江戸も)
いぬる  → 帰る
えむ   → 実がはじけて出て来る
えらい  → だるい、苦しい
おけんてい→ そうでないのに、それらしく振る舞う
かだら  → 身体(からだ)
がっせい → いっさいがっさい (合才=がっせい)
かわいい → 可哀想
こーじゃげ→ 大きく見える   (口才=こうじゃ)
ごんたくれ→ 暴れたり周囲を困らす(義経千本桜のいがみの権太より)
しゃっても→ 必ず
じょしゃねえ→ 抜け目ない   (如才)
たらし  → おやつ
びく   → 小娘      (比丘→比丘尼←サンスクリット語)
ひろーす → がんもどき   (ポルトガル語)
ぼいやこ → 鬼ごっこ
よーさり → 夜 

【参照】但馬方言のページ
谷口裕氏運営サイトをぜひご覧下さい。
                                          【文責】 中田
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2012~2013年度 5月例会案内
◆ テーマ 但馬方言物語 その3 ◆

今年度、但馬学研究会例会のテーマ「但馬方言物語」第3弾です。
講師はおなじみの谷口裕先生です。過去2回では、方言についての基礎知識、
但馬方言の位置づけ、語彙(表現、ボキャブラリー)などについて学びました。

さて、今回は語源や文献を中心にお話をお聞きします。大河に源流があるように、
方言にも語源があります。語源が様々な変化を遂げて我々の今の方言に至る。
その辺の面白さを、講師先生と一緒に探って見ようと言うのが今回の狙いです。

でけだけよおけきてくんにゃーよ。まっとるしきゃーな。

日 時 :2013年5月25日(土)  12:30 集合

場 所 :豊岡市民プラザ 市民活動室C(アイティ7階)
     ※JR豊岡駅前です。駐車はアイティ立体駐車場でどうぞ。
      入場券に認証印を事務室で貰うと無料になります。

講 師 :谷口裕 氏(豊岡市立港中学校教諭)

スケジュール

12:30~13:00 アイティ7階 (市民活動室Cにて昼食)

13:00~15:00 お話を聞く、質疑応答

15:00~15:30 会員トーク

15:30     閉会

参加申込み:締切は5月23日(木)

例会担当 :中田、藤井、守山

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2012〜2013年度 4月例会案内
    ◆ ことばは人に付いてくる ◆
  但馬弁の南の境(多々良木)から見えるもの

今回は但馬弁についてのお話です。講師は元会員の水田文夫さんです。
2001年9月例会、お父さんが鍛冶屋さんでお話を聞きました。
子どもの頃は4世代で暮らされていたのでしっかり羽淵ことば、
土地の風習の中で育ったそうです。
そんな水田さんの但馬弁南の境の検証についてのお話を聞きましょう!

日 時: 2013年4月27日(土)12:00~

場 所: 多々良木みのり館 歴史棟(いろりのある部屋)
     朝来市多々良木727−2 電話079−678−1414

講 師: 水田 文夫氏 (ギャラリー汗愛 主宰)

────────────────────────────────────────
〔スケジュール〕

12:00  多々良木みのり館 に集合・昼食(幕の内弁当を予定)

13:00  さーでのはなし(会員発表)
          渡し船(赤石〜二見)の昔話 その地のことばで伝わる話を披露。
          飯尾 文男氏

13:20   お 話 「ことばは人に付いてくる」
         水田 文夫氏
 
15:00  質疑応答

15:30   終了

例会担当 飯尾・浜野・安達

出欠締切日 4月25日(木)

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2012年〜2013年度 3月例会報告 「平 盛嗣(たいらのもりつぐ)~ 但馬の平家落人伝説はウソだらけ?」
日 時:3月23日(土)
場 所:城崎文芸館
講 師:山口久喜(ヤマグチヒサキ)氏

今年度の但馬学の年度テーマの一つが平家落人でした。
平家落人伝説は全国で約150の話が有るとされていますが、その内、但馬には40幾つもの平家に関する伝説、謂われが残っています。これは何を意味するのか、その事を知りたくて山口先生にお話しを聞きました。

但馬の平家に関する記述は平盛継(越中次郎兵)の話以外は全て事実無根の話とのっけから一刀両断された先生、それはなぜか。

まず客観的にみて、落人は絶対にみつからない、知られない、その為には人の中に隠すのが常識、人里離れた中途半端な所は帰って目立つ。例外的には宮崎県の椎葉村とか九州の一部にそのような所に落人が居た記録は残っているが、大半は「人を隠さば、人の中」というように辺鄙な所には落ち延びていない、しかも集団で落ち延びるなんてことは隠れるのに不都合で、ありえない事だ。

では、どうして但馬に落人伝説が沢山残っているのか。それは但馬の研究者が頑張って話を掘り出してきたからだ。

不思議と但馬に残る落人伝説は鳥取に近い所や、海岸線に残っている。それで調べてみたら、鳥取県因幡国府の地に『岡益の石堂(おかますのいしんどう)』と呼ばれる謎の石塔がある。ここは、この地に伝わる平家伝説にちなんで、宮内庁によって安徳天皇の陵墓参考地に指定されている。

この石塔には多くの謎が隠されており、未だに真実が解明されていない。
例えば、心柱のエンタシスと忍冬渦巻蓮弁放射
文様は法隆寺と同じで、新羅や百済、はたまたギリシャ文化の影響まで受けている可能性がある。この謎の石塔が安徳天皇の陵墓だというのだ。

安徳天皇は、二位の尼や越中次郎兵盛継らに守られて戦線離脱してこの地に辿り着いたが、病で崩御した。ここには天皇を祀る崩御神社と殉死した平家一門の墓がある。

但馬平家落人伝説の始まりは全てここから出ていると言っても過言ではない。安徳天皇の怨霊を祀ることで幾多の幸福をもたらしてくれる、所謂、御陵を祀る「怨霊信仰」が鳥取の地で広まり、それが但馬のあちこちに飛び火してき、それに貴種流離譚(本来は高貴な血筋なのに今は恵まれない境遇に居る)の話が結びつき、但馬の辺鄙な所ほど話が浸透していったものと思われる。

それが証拠に、拠り所とするお地蔵さまとか、供養塔は200年も後の事であり、平家物語を語る坊さんとかの話や、当時流行した
逆修信仰も荷担され、悲運な武将と結びつけたがる但馬人気質とが、ごちゃ混ぜに成り、但馬に平家落人伝説と謂われるモノが残るようになった。

以上、お話しは大変興味深くお伺いできましたが、この他にも鳥取から富山に掛けてマレーが多く残っていることや、海部族のお話し、はたまた出石そば伝来の話なども興味尽きない話題でした。

【文責】太田伸吾
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