2012〜2013年度 4月例会案内
    ◆ ことばは人に付いてくる ◆
  但馬弁の南の境(多々良木)から見えるもの

今回は但馬弁についてのお話です。講師は元会員の水田文夫さんです。
2001年9月例会、お父さんが鍛冶屋さんでお話を聞きました。
子どもの頃は4世代で暮らされていたのでしっかり羽淵ことば、
土地の風習の中で育ったそうです。
そんな水田さんの但馬弁南の境の検証についてのお話を聞きましょう!

日 時: 2013年4月27日(土)12:00~

場 所: 多々良木みのり館 歴史棟(いろりのある部屋)
     朝来市多々良木727−2 電話079−678−1414

講 師: 水田 文夫氏 (ギャラリー汗愛 主宰)

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〔スケジュール〕

12:00  多々良木みのり館 に集合・昼食(幕の内弁当を予定)

13:00  さーでのはなし(会員発表)
          渡し船(赤石〜二見)の昔話 その地のことばで伝わる話を披露。
          飯尾 文男氏

13:20   お 話 「ことばは人に付いてくる」
         水田 文夫氏
 
15:00  質疑応答

15:30   終了

例会担当 飯尾・浜野・安達

出欠締切日 4月25日(木)

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2012年〜2013年度 3月例会報告 「平 盛嗣(たいらのもりつぐ)~ 但馬の平家落人伝説はウソだらけ?」
日 時:3月23日(土)
場 所:城崎文芸館
講 師:山口久喜(ヤマグチヒサキ)氏

今年度の但馬学の年度テーマの一つが平家落人でした。
平家落人伝説は全国で約150の話が有るとされていますが、その内、但馬には40幾つもの平家に関する伝説、謂われが残っています。これは何を意味するのか、その事を知りたくて山口先生にお話しを聞きました。

但馬の平家に関する記述は平盛継(越中次郎兵)の話以外は全て事実無根の話とのっけから一刀両断された先生、それはなぜか。

まず客観的にみて、落人は絶対にみつからない、知られない、その為には人の中に隠すのが常識、人里離れた中途半端な所は帰って目立つ。例外的には宮崎県の椎葉村とか九州の一部にそのような所に落人が居た記録は残っているが、大半は「人を隠さば、人の中」というように辺鄙な所には落ち延びていない、しかも集団で落ち延びるなんてことは隠れるのに不都合で、ありえない事だ。

では、どうして但馬に落人伝説が沢山残っているのか。それは但馬の研究者が頑張って話を掘り出してきたからだ。

不思議と但馬に残る落人伝説は鳥取に近い所や、海岸線に残っている。それで調べてみたら、鳥取県因幡国府の地に『岡益の石堂(おかますのいしんどう)』と呼ばれる謎の石塔がある。ここは、この地に伝わる平家伝説にちなんで、宮内庁によって安徳天皇の陵墓参考地に指定されている。

この石塔には多くの謎が隠されており、未だに真実が解明されていない。
例えば、心柱のエンタシスと忍冬渦巻蓮弁放射
文様は法隆寺と同じで、新羅や百済、はたまたギリシャ文化の影響まで受けている可能性がある。この謎の石塔が安徳天皇の陵墓だというのだ。

安徳天皇は、二位の尼や越中次郎兵盛継らに守られて戦線離脱してこの地に辿り着いたが、病で崩御した。ここには天皇を祀る崩御神社と殉死した平家一門の墓がある。

但馬平家落人伝説の始まりは全てここから出ていると言っても過言ではない。安徳天皇の怨霊を祀ることで幾多の幸福をもたらしてくれる、所謂、御陵を祀る「怨霊信仰」が鳥取の地で広まり、それが但馬のあちこちに飛び火してき、それに貴種流離譚(本来は高貴な血筋なのに今は恵まれない境遇に居る)の話が結びつき、但馬の辺鄙な所ほど話が浸透していったものと思われる。

それが証拠に、拠り所とするお地蔵さまとか、供養塔は200年も後の事であり、平家物語を語る坊さんとかの話や、当時流行した
逆修信仰も荷担され、悲運な武将と結びつけたがる但馬人気質とが、ごちゃ混ぜに成り、但馬に平家落人伝説と謂われるモノが残るようになった。

以上、お話しは大変興味深くお伺いできましたが、この他にも鳥取から富山に掛けてマレーが多く残っていることや、海部族のお話し、はたまた出石そば伝来の話なども興味尽きない話題でした。

【文責】太田伸吾
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