2012年~2013年度 2月例会報告 「但馬の方言におけるアクセントとイントネーション」
日時:2013年2月23日(土) 12:00〜16:00
場所:げんぶ堂2F (豊岡市中陰376-3)
講師:増田恵子さん(豊岡市立西保育園 元FMジャングルDJ)



今年度の但馬学のテーマは「但馬の方言」。今月は豊岡市港地区の方言を題材に方言を考える(感じる)ことにしました。「方言を耳で聞き、感じる」そんな趣旨から「耳の例会」でした。



使用したのは2006年(平成18年)に編集された豊岡市港地区公民館発行の「みなと弁〜残したいふるさとの方言」と言う冊子。

この冊子編集の経緯は「はじめに」の中に書かれている。「30〜40年前に方言をやめて標準語にしようとの時代があった」「方言を使うと田舎者扱いにされ、極力避けて標準語で話そうとする雰囲気もあった。私たちの周りからもみなと弁が消えはじめた。」と言う危機意識から、地区の長老が集まって1年掛かりで編集されたもの。



講師(読み聞かせ)として今回は、豊岡市港地区在住の増田恵子さんにお願いをしました。増田さんは元FMジャングルのDJ、現在は保育園のスタッフとして園児達に読み聞かせをされている。いわばしゃべりのプロ。



「浦島太郎」をみなと弁で語ったらどうなるのか?増田さんの「みなと弁」で物語を語っていただきました。

「むかしな、海辺の村に、浦島太郎というわきゃーもんがおった。」
「こらぁ、そんな事したったら、亀がかやーさぁげだにゃぁかいや。にぎゃーてやれ」
「おみゃーも、こぎゃあなとこにくるで、ひでえ目にあうだわ。はやー家にいね」
「龍宮城へようきてくんなりました。こにゃあだ亀を助けてくんなったお礼に、ごっつぉうをようけこしりゃーてまっとりました。どうぞ、ようけくってくんにゃあ」
「どえらいごっつぉうになりましたが、まぁまた村にもどりてゃぁので、これでしゃあならしますわぁ」

「にゃあ」「きゃー」「みゃー」「ぎゃあ」、まさに母音文化だなあ、とつくづく感じる。



「みなと弁」聴いた後は、会員それぞれの地区ならどう言うのかそれぞれで方言を披露。一言で但馬の方言と言っても微妙にちがうのが面白い。
今の子供達はどんな言葉をしゃべっているのだろう?との意見交換も。テレビなどを通じて、流行、関心事など画一化している。だから言葉も標準化しているだろうか?
家庭でしゃべる言葉、学校でしゃべる言葉、友達同士でしゃべる言葉の使い分けがあるのでは。それは私たちが実際に体験してきている。

今回の例会の世話役でもある岩本くんがイントネーションが音程7度、オクターブあがることばをコントラバスで表現。みなと弁とコントラバスの競演とまではいかなったけど、音階で方言を分析してみるのはとても面白い発想でした。
                                                                                              【文責】中田
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