2007,08,27, Monday
開催月日 : 8月25日(土)
開催市町 : 豊岡市出石町
テーマ : 「暮らしと郷土料理」
講 師 : 大字路子さん(農業改良普及センター職員)
場 所 : 出石農村環境改善センター(豊岡市出石町水上)
参加者 : 峠・高石・能登・成田・浜野・中田・岩本k・岩本m・西躰
衣川・島垣・中尾・友田(13名)会員外1名
担 当 : 浜野・戸田・成田
(大字さんのお話)
兵庫県全体をみた時、但馬は農村も漁村も暮らしを豊かにする食材が四季折々にたくさんあると思う。それらの地域の食材を取り込んで但馬を活性化していく取り組みをしてきた。グリーンツーリズム、交流型、滞在型の農家民宿は但馬が県下では一番ではないかと思っている。
豊岡ではいちごが作られている。いちご「章姫」は比較的低温に強く、甘みが強いという利点がある。収穫は11月~6月まで。昭和44年より、豊岡市と但東町でピーマンが作られ始め、最も多く収穫されている。軽いからお年寄りでも女性でも作りやすい。昭和50年代に但東町で自生していたうどを栽培し、緑化うどにたどり着く。冬場の収入源として山菜ブームに乗り、徐々に広がった。贈答用として栽培される。
コウノトリの野生復帰のために、コウノトリの餌場となる田んぼを作り上げていく取り組みが官民一体となってなされた。生き物が棲める田んぼ作り、冬でも水を張る水田となる。それは米の作り方を変えていくことであった。(コウノトリ育む農法)その結果、生き物が棲める田んぼは安全・安心の米として、国内外から但馬は注目されている。現在200町歩の田んぼとなる。それは観光会社の「エコツーリズム」としてコウノトリの郷公園周辺にバスツアーが来るようにもなる。
消費者側の要望として、食の安心・安全への関心が高まってきている。それを生産者がもっと強く安心を伝えていくことが必要である。現在では安心安全なものが消費者に伝っていない。平成13年からスタートした「兵庫安心ブランド」という基準がある。国が決めている農薬の10分の1しか使っていないものにつけられる。県が抜き打ちで検査している。その安心ブランドと認められた60%近くは但馬で生産されている。
それらは「兵庫安心ブランド」マークがつけられ、スーパーの店頭に並んでいる。阪神間の大手スーパーにも引き合いがある。その上、更に豊岡市では「コウノトリの舞」という名で市認定の農産品ブランドがある。環境汚染を防ぐ取り組みで、土壌分析をして基準以下の土で作られた作物にコウノトリマークのステッカーが貼られている。
「豊岡四季の味」という冊子を作った。現在、但馬(豊岡)で生産されている旬の野菜と果物年間カレンダー、四季の食材を使った料理の紹介など。どんな食材が地元で作られているのか、知らない人が多いので活用してもらおうと作成した。
郷土料理を新しく作るという試みをしてきた。但馬の食文化を生かした農家レストランの取り組みである。昭和49年、日高町のやまめ料理「阿瀬」が最初である。過疎化への危機感から農家の女性5人で始める。17年度までに民宿を含めて15件。それらの後押しをしてきた。
農家レストランの取り組みのポイント
1. 過疎を逆手に取る。
2. 資金・設備の整備は自力で。
3. 個々の生活安定→地域の活性化
4. 地元食材を利用した美味しい食べ物は多くの人を惹きつける。
5. 交流で村の魅力を再発見。
農家民宿について
建築基準法・旅館業法・消防法・食品衛生法など、なかなか許可がおりなかったが徐々に認められた。経営のポイントは
1. 過剰投資を避ける。
2. 農業のサイドビジネスに取り組む。
3. ホテルや旅館にできないことをする。
ふるさとになるといった心のつながりを大切にする。
但馬人は温かい。豊かな食材、昔から培ってきた食材や食文化があり、それらは磨けば光ってくる。これが但馬を元気にしていくと思う。
○質問と●会員の話
* 食育とは
味覚を育てるのではなく、どのように米が、野菜が作られているかを体験することである。
* 年代によって、味覚の違いがあるのではないかと思う。
* 食糧難の時代に育ったので「もったいない」という気持ちがある。食べ物に関しては「こわい!」という気持ちになる。恐れ多いというか、出されたものは全て食べないといけないと思う。余ったら捨てるというのは抵抗がある。
* 北但はそば、南但はうどんなのか。
* 山間部はそば、平野部はうどんではないか。そばは荒地でも育つ。麦は平野で作られる。
* 郷土料理とは
特定できないものがある。
* かってはヘリコプターで農薬散布、今はこうのとり農法と、政策で決められた形で一斉に行われるのは本当に良いのか、危険ではないかと感じる。
* 戦後、アメリカの影響でパンを食べなさいと言われた。学校給食も当時はパンだった。今はお米を食べようと言われる。
* 今は太陽暦で節句をする。本当ならば、旧暦でないとかしわ餅は食べられない。
6月にならないと柏の葉がとれないからだ。
七夕祭りも家でするということがなくなった。
* 行事は旧暦で行われる。それは農業との関わりが大きいからである。田の神、山の神を祀るという。それはそのまま食に繋がる。
* 今は農業をする人が少なくなった。そのために豊作を祈る行事が廃れていっている。
* 囲炉裏のイメージが今と昔では違う。昔はおやじがどん!と構えていた。今は農家民宿で囲炉裏を囲んで炉辺焼き。
* 旬!を捉えて、その採り方(獲り方)、作り方(料理を含む)などを体験するというのはどうだろう。例えば今だとイカ釣りとか・・。それがどういう背景を持つのか学ぶ。
開催市町 : 豊岡市出石町
テーマ : 「暮らしと郷土料理」
講 師 : 大字路子さん(農業改良普及センター職員)
場 所 : 出石農村環境改善センター(豊岡市出石町水上)
参加者 : 峠・高石・能登・成田・浜野・中田・岩本k・岩本m・西躰
衣川・島垣・中尾・友田(13名)会員外1名
担 当 : 浜野・戸田・成田
(大字さんのお話)
兵庫県全体をみた時、但馬は農村も漁村も暮らしを豊かにする食材が四季折々にたくさんあると思う。それらの地域の食材を取り込んで但馬を活性化していく取り組みをしてきた。グリーンツーリズム、交流型、滞在型の農家民宿は但馬が県下では一番ではないかと思っている。
豊岡ではいちごが作られている。いちご「章姫」は比較的低温に強く、甘みが強いという利点がある。収穫は11月~6月まで。昭和44年より、豊岡市と但東町でピーマンが作られ始め、最も多く収穫されている。軽いからお年寄りでも女性でも作りやすい。昭和50年代に但東町で自生していたうどを栽培し、緑化うどにたどり着く。冬場の収入源として山菜ブームに乗り、徐々に広がった。贈答用として栽培される。
コウノトリの野生復帰のために、コウノトリの餌場となる田んぼを作り上げていく取り組みが官民一体となってなされた。生き物が棲める田んぼ作り、冬でも水を張る水田となる。それは米の作り方を変えていくことであった。(コウノトリ育む農法)その結果、生き物が棲める田んぼは安全・安心の米として、国内外から但馬は注目されている。現在200町歩の田んぼとなる。それは観光会社の「エコツーリズム」としてコウノトリの郷公園周辺にバスツアーが来るようにもなる。
消費者側の要望として、食の安心・安全への関心が高まってきている。それを生産者がもっと強く安心を伝えていくことが必要である。現在では安心安全なものが消費者に伝っていない。平成13年からスタートした「兵庫安心ブランド」という基準がある。国が決めている農薬の10分の1しか使っていないものにつけられる。県が抜き打ちで検査している。その安心ブランドと認められた60%近くは但馬で生産されている。
それらは「兵庫安心ブランド」マークがつけられ、スーパーの店頭に並んでいる。阪神間の大手スーパーにも引き合いがある。その上、更に豊岡市では「コウノトリの舞」という名で市認定の農産品ブランドがある。環境汚染を防ぐ取り組みで、土壌分析をして基準以下の土で作られた作物にコウノトリマークのステッカーが貼られている。
「豊岡四季の味」という冊子を作った。現在、但馬(豊岡)で生産されている旬の野菜と果物年間カレンダー、四季の食材を使った料理の紹介など。どんな食材が地元で作られているのか、知らない人が多いので活用してもらおうと作成した。
郷土料理を新しく作るという試みをしてきた。但馬の食文化を生かした農家レストランの取り組みである。昭和49年、日高町のやまめ料理「阿瀬」が最初である。過疎化への危機感から農家の女性5人で始める。17年度までに民宿を含めて15件。それらの後押しをしてきた。
農家レストランの取り組みのポイント
1. 過疎を逆手に取る。
2. 資金・設備の整備は自力で。
3. 個々の生活安定→地域の活性化
4. 地元食材を利用した美味しい食べ物は多くの人を惹きつける。
5. 交流で村の魅力を再発見。
農家民宿について
建築基準法・旅館業法・消防法・食品衛生法など、なかなか許可がおりなかったが徐々に認められた。経営のポイントは
1. 過剰投資を避ける。
2. 農業のサイドビジネスに取り組む。
3. ホテルや旅館にできないことをする。
ふるさとになるといった心のつながりを大切にする。
但馬人は温かい。豊かな食材、昔から培ってきた食材や食文化があり、それらは磨けば光ってくる。これが但馬を元気にしていくと思う。
○質問と●会員の話
* 食育とは
味覚を育てるのではなく、どのように米が、野菜が作られているかを体験することである。
* 年代によって、味覚の違いがあるのではないかと思う。
* 食糧難の時代に育ったので「もったいない」という気持ちがある。食べ物に関しては「こわい!」という気持ちになる。恐れ多いというか、出されたものは全て食べないといけないと思う。余ったら捨てるというのは抵抗がある。
* 北但はそば、南但はうどんなのか。
* 山間部はそば、平野部はうどんではないか。そばは荒地でも育つ。麦は平野で作られる。
* 郷土料理とは
特定できないものがある。
* かってはヘリコプターで農薬散布、今はこうのとり農法と、政策で決められた形で一斉に行われるのは本当に良いのか、危険ではないかと感じる。
* 戦後、アメリカの影響でパンを食べなさいと言われた。学校給食も当時はパンだった。今はお米を食べようと言われる。
* 今は太陽暦で節句をする。本当ならば、旧暦でないとかしわ餅は食べられない。
6月にならないと柏の葉がとれないからだ。
七夕祭りも家でするということがなくなった。
* 行事は旧暦で行われる。それは農業との関わりが大きいからである。田の神、山の神を祀るという。それはそのまま食に繋がる。
* 今は農業をする人が少なくなった。そのために豊作を祈る行事が廃れていっている。
* 囲炉裏のイメージが今と昔では違う。昔はおやじがどん!と構えていた。今は農家民宿で囲炉裏を囲んで炉辺焼き。
* 旬!を捉えて、その採り方(獲り方)、作り方(料理を含む)などを体験するというのはどうだろう。例えば今だとイカ釣りとか・・。それがどういう背景を持つのか学ぶ。
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